【ゆとり生活】老後資金はいくら必要?40代から逆算する必要額と毎月の積立額

資産形成

老後のことを考えたとき、
「結局いくらあれば安心なのか分からない」
と感じる人は多いのではないでしょうか。

よく「老後資金は○○万円必要」といった話を見かけますが、実際に必要な金額は、生活費や年金額だけでなく、何年取り崩すのか老後もどの程度運用するのかによって大きく変わります。

そのため、老後資金は一つの目安額だけで考えるのではなく、自分の生活に近い条件で試算することが大切です。

この記事では、分かりやすくするために、次の前提で老後資金の目安を試算します。

ゆとり生活(月38万円生活)

先に結論をいうと、年4%で運用しながら30年間取り崩す前提で計算すると、次のような結果になります。

老後開始時点で必要な資産:約5,750万円

ただし、これはあくまで試算例です。運用をしない場合と比較しながら説明します。

この記事の前提

今回は、なるべく分かりやすく比較するため、次の前提で考えます。

  • 老後は夫婦2人暮らしを想定
  • 持ち家前提で、家賃負担は大きくない想定
  • 老後開始まで20年
  • 老後の取り崩し期間は30年
  • 積立期間中の想定利回りは年4%
  • 取り崩し期間中の想定利回りも年4%
  • 生活費は毎年2%のインフレを考慮
  • 年金は毎年1.8%で増える前提(インフレ率2%-0.2%)
  • 老後は毎月一定額を取り崩し、30年後に資産が0円になる前提で試算

なお、この記事では、いわゆる「4%ルール」のように単純に年間支出を4%で割る方法ではなく、
取り崩し期間と運用利回りを考慮して、老後開始時点で必要な資産を逆算する方法を使います。

そのため、老後に必要な金額を、より実際の資産計画に近い形で考えることができます。

まず結論を比較

今回のモデルをまとめると、次のようになります。

項目ゆとり生活モデル
(運用あり)
ゆとり生活モデル
(運用なし)
毎月の生活費56.5万円
(インフレ考慮前:38万円)
約56.5万円/月
(インフレ考慮前:38万円)
年金額29万円
(インフレ考慮前:20.3万円)
約29万円/月
(インフレ考慮前:20.3万円)
毎月の不足額27.5万円約27.5万円
取り崩し期間30年30年
取り崩し開始時に必要な資産額約5,750万円約9,890万円
現在資産額1,000万円1,000万円
運用利回り年4%年0%
現在資産の将来価値約2,191万円約1,000万円
毎月の積立額約9.7万円約37万円

上記はあくまで一例です。あなたの場合はいくら?

ここで大事なのは、
「老後に必要な資産」は、生活費と年金の差だけでなく、取り崩し期間と老後の運用条件でも大きく変わるということです。

運用をしない場合、毎月約37万円の積立が必要になりますが、運用を前提にすると約9.7万円まで下げることができます。

この差を生むのが「長期投資」です。

① 老後の生活費を決める

まずは、老後に必要な生活費を決めます。

今回はゆとりのある老後生活を想定して、
月38万円としています。もし毎年2%の物価高になった場合、20年後は56.5万円(=38万円×(1.02)^20)必要になります。

※日本の長期インフレ目標は2%(日銀)

ゆとりのある生活は以下の通りです。

  • 旅行や外食をある程度楽しみたい
  • 節約しすぎない生活をしたい
  • 現役時代と大きく変えたくない

👉 この金額は人によって大きく変わるため、
まずは自分の理想の生活費を把握することが重要です。

② 年金額を引く

次に、年金でどれくらい賄えるかを考えます。

今回は夫婦のモデルとして、次の前提にします。

年金額は、厚生労働省「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」を参考にしています。

平均受給額は、
厚生年金(会社員):約14.7万円/月
国民年金(基礎年金):約5.6万円/月

※いずれも2023年度時点の平均値

合計では月20.3万円とします。

年金も将来改定される可能性はありますが、物価上昇率とまったく同じペースで増えるとは限りません。
そこで今回は、物価上昇率2%に対して、年金は年1.8%で増える前提で試算します。

20.3万円 × (1.018)^20 ≒ 約29万円/月

つまり、老後開始時点の想定年金額は
約29万円/月です。

③ 不足分を計算する

生活費と年金の差が、老後に自分で用意する必要がある金額です。

56.5万円 − 29万円 = 27.5万円

したがって、老後開始時点では毎月、

約27.5万円

を資産から補う必要があります。

年間にすると、

27.5万円 × 12ヶ月 = 330万円

です。

つまり、老後は毎年約330万円を、年金以外の資産から取り崩していくイメージになります。

④ 必要資産を計算する

ここがいちばん重要です。

老後資金を考えるとき、よく
「年間不足額 ÷ 4% = 必要資産」
という計算が使われます。

もちろん目安としては分かりやすいのですが、この方法では

  • 何年間取り崩すのか
  • 老後も運用を続けるのか
  • 何年で資産を使い切る想定なのか
  • 4%ルールは「永続」前提

といった条件が反映されません。

そこで今回は、
毎月27.5万円を30年間取り崩しながら、資産を年4%で運用し、「30年で資産がゼロ」
という前提で、老後開始時点に必要な資産を逆算します。

その結果、

取り崩し開始時に必要な資産は 約5,750万円

となります。

※年4%で運用しながら、毎年約330万円を30年間取り崩す「年金現価(取り崩し計算)」で逆算すると、この金額になります。

つまり今回の条件では、老後開始時点で約5,750万円あれば、
毎月27.5万円30年間取り崩して、最終的に資産がほぼ0円になる計算です。

⑤ 現在資産を含めて考える

次に、今持っている資産を考慮します。

今回は、現在資産を1,000万円とします。
これを今後20年間、年4%で運用すると、

約2,191万円

になります。

つまり、老後開始時点で必要な約5,750万円のうち、
すでに現在資産の将来価値として約2,190万円分は見込めることになります。

差額は、

5,750万円 − 2,190万円 = 約3,560万円

です。

この不足分を、今後20年間の積立で準備していくイメージになります。


⑥ 毎月いくら積み立てればいいか

では、この不足分を20年間で作るには、毎月いくら積み立てればよいのでしょうか。

今回の前提では、

  • 現在資産:1,000万円
  • 積立期間:20年
  • 積立期間中の利回り:年4%
  • 老後開始時に必要な資産:約5,750万円

として計算すると、

毎月の積立額は 約9.7万円

となります。

つまり、現在1,000万円の資産があり、それを年4%で運用しながら、さらに毎月約9.7万円を20年間積み立てることで、老後開始時点で約5,750万円を目指せる計算です。

まとめ

今回の試算をまとめると、次のようになります。

  • 老後開始時点で必要な資産は 約5,750万円
  • 老後の必要資産は、生活費と年金の差だけでなく、取り崩し期間老後の運用利回り で変わる
  • 現在資産1,000万円がある場合、その将来価値は約2,191万円
  • 残りを20年間で準備するには、毎月約9.7万円 の積立が必要

老後資金を考えるときは、「老後にいくら必要か」だけでなく、
何歳から何年間使うのか、老後もどの程度運用するのか まで含めて考えることが大切です。

まずは自分の生活費をベースに、
「自分の場合はいくら必要なのか」
を下記のシミュレーターで計算してみてください。

老後資産シミュレーター

現在の生活費、年金額、現在資産、積立年数、取り崩し期間、インフレ率、積立期間の想定利回り、取り崩し期間の想定利回りを入力すると、老後開始時に必要な資産額と、毎月の積立額を試算できます。




























※生活費は積立期間中のみインフレ反映して、取り崩し開始時点の金額を基準に計算しています。
※年金は入力した「年金増額年率」で調整しています。
※取り崩し期間中は、毎月一定額を取り崩し、最終的に資産が0円になる前提です。

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